国内法と租税条約

 国内法とは、日本の税法のことであり、法人税法、所得税法、消費税法を始めとする各種の税法のことをいいます。内国法人は、この国内法には必ず従わなければなりません。これに対して、外国法とは、日本以外の諸外国の法令のことであり、税法や他の法令も、その体系や内容は国によって異なりますが、基本的にはその国に進出しない限りは影響のない法律です。

 租税条約とは、二重課税の排除や脱税の防止を目的として、二国間で締結していいる租税に関する条約のことであり、OECDモデル条約という基本的なモデルがあります。ただ、すべての国がそのモデルに従っているわけではなく、各条約により内容は異なっています。租税条約は、国内法と外国法の関係を補完する位置付けにあり、企業にとってはその適用により有利となることが多くなっています。

 日本の場合、国内法よりも租税条約の方が優先され、国内法と租税条約で別の取り扱いが定められていれば租税条約の規定が優先されることになりますが、国によってはそうでないケースも存在します。