US CPAライセンス・ホルダーのサインについて

 米国公認会計士(US CPA)全科目合格後にワシントン州公認会計士(US CPA in Washington State)や他州公認会計士のライセンス申請を行う場合、米国公認会計士ライセンス・ホルダー(US CPA Lisence Holder)の実務経験証明のサイン取得が必要になります。予備校のライセンス・サポートがある場合や監査法人に勤務して身近にライセンス・ホルダーがいる場合には問題はありませんが、そうでない場合には、全米州政府会計委員会(NASBA)の経験認証サービス(Experience Verification Service)があります。

 全米州政府会計委員会は、世界中の国内外の会計専門家が米国公認会計士資格情報を利用できるようにすることを目標にしており、多くのライセンス申請者は、ライセンス・ホルダーを見つけるのが難しいことから、このサービスは開始されました。

 全米州政府会計委員会の経験認証サービスは、ライセンス・ホルダーのインタビューにより、ライセンス申請者の実務経験の認証を行い、米国内外のライセンス申請者のニーズに対応する取り組みですが、比較的最近に開始されたサービスです。サインをしてくれる米国公認会計士を探す必要もないことや、全米州政府会計委員会のサービスですから、ライセンス申請後にOKが出るどうか心配する必要もありません。

 このサービスを開始するには、ライセンス申請者は次の条件を満たす必要があります。
①米国公認会計士
試験に全科目合格(
Passed the CPA Examination

②一定の学歴要件(Met the Board’s educational requirements for licensure

1〜2年の会計実務経験(1-2 years of accounting experience

 現在利用できる州は、グアム、ケンタッキー、ミシガン、ミネソタ、モンタナ、ニューハンプシャー、オクラホマ、ヴァージニア、ワシントン、ワシントンD.C.、ウィスコンシンですが、これらの州以外で合格した場合には、合格実績を上記の州へ移すために移管(Transfer)の申請を行う必要があります。

 日本人がサービスを利用するには700ドルかかります。サービスの流れは以下のとおりです。
 ①オンラインによる利用申請

 ②
現地のプロバイダーによる職務経験の確認
 ③ライセンス・ホルダー
の英語での電話またはスカイプインタビュー
 ④
総合的な最終報告書の作成

 その後は、この最終報告書と必要書類を州にオンラインで提出すれば、ライセンス登録されます。ライセンス登録者は、全米統一ライセンスサーチ(CPA Verify)に掲載され、名前もしくはライセンス番号を入力すると、ライセンス保持者かどうかの検索が可能になります。

 全米州政府会計委員会による認証を受けているため、ライセンス登録自体はすぐ行われますが、認証サービスはきちんとした手続きを踏んでおり、1カ月程度を要します。