米国では、確定申告書を提出した後に誤りを発見した場合には、修正申告書(Amending Tax Return)を提出することによって訂正を行うことができます。
米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)に対して修正申告書を提出するにあたっては、以下の10つの点に注意してください。
1.修正申告が求められるとき
申請ステイタス、扶養家族数、所得総額、所得控除または税額控除を訂正する必要がある場合は、修正申告書を提出する必要があります。 米国個人所得税修正申告書(Form 1040X)には、修正する理由を記載する欄があります。
2.修正申告をしないとき
確定申告書の修正をしないときには、場合によっては、確定申告書を修正する必要はありません。例えば、米国内国歳入庁は通常、確定申告書をチェックして計算ミスを訂正します。もし必要な本表(Form)や別表(Schedule)が提出されていない場合、米国内国歳入庁から何が足りないかについて連絡が入ることになります。
3.修正申告をするとき
Form 1040Xを使用して、以前に提出したForm 1040、1040A、1040EZ、1040NRまたは1040NR-EZを修正します。 この場合、Form 1040Xで修正する課税年度にチェックを入れます。修正申告書は電子申告することはできず、用紙に記入して提出する必要があります。
4.複数年にわたる修正をするとき
修正申告書を複数年にわたって提出する場合は、1年ごとにForm 1040Xを別途用意してそれぞれ適切な米国内国歳入庁の処理センターに別の封筒で郵送してください。提出先は米国内国歳入庁の処理手順書に記載されています。
5.Form 1040Xについて
Form 1040Xには3つの記入欄があります。 A欄は元の確定申告書の数値を示します。 B欄には修正内容(A欄とB欄の差額)が表示されます。 C欄は修正後の数値が示されます。また、修正内容と修正理由を説明する記入欄もあります。
6.その他の本表や別表(Forms or
Schedules)
変更内容に他の別表や本表が含まれている場合には、Form 1040Xに添付してください。 これをしないと、処理が遅れることになります。
7.他の還付のための修正申告
他の還付のための修正申告をしている場合には、その還付金を受け取った後でなければ修正申告書を提出してはいけません。
8.過少申告のための修正申告
過少申告のため修正申告書を提出する場合には、利子税や加算税がかかるため、できるだけ早くForm 1040Xを提出して、税金を支払う必要があります。
9.修正申告ができる期間
還付を請求するには、通常、元の確定申告書を提出した日から、または税金を支払った日から2年以内のいずれか遅い日から3年以内に、Form 1040Xを提出する必要があります。
10.処理日数
修正申告書の通常の処理には、8〜12週間かかります。
これに対して日本では、確定申告書の訂正についてケースごとに2つの手続きが存在します。納める税金が多すぎた場合や還付される税金が少なすぎた場合には、「更正の請求」を行います。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。また、納める税金が少なすぎた場合や還付される税金が多すぎた場合には、「修正申告」を行います。