米国公認会計士(US CPA)の更新について

 米国公認会計士(US CPA)のライセンスは永久資格ではありません。各州の規定に従って定期的にライセンスを更新しなければなりません。

 例えば、ワシントン州(Washington State)では、ライセンスを認定された個人はすべて、3年ごとに翌年1月1日から4月30日までに更新する必要があります。CPA Verifyにアクセスすれば、資格情報の有効期限を確認することができます。

 資格の有効期限が切れる前の年の12月31日までに、必要な継続専門教育(CPE)を完了して更新を行います。ワシントン州では、ライセンスまたは更新申請を提出する前に継続専門教育を完了する必要があります。2020年1月1日から有効なCPEクレジット時間の年間最小値が20クレジットにルール変更されました。従来は、3年間のトータルで120クレジットを取得すればよく、年間最小値は定められていなかったため、更新が大変になりました。

 新ルールの下でも、日本人がよく利用しているCPE depotといったCPEクレジット業者を選定し、自分の業務に関連したり、興味があるアカウンティングや監査、税務などのクレジットを取得すること自体には変更はありません。ただ、3年分をまとめて1年でクレジットを取得することは認められなくなりました。これにより、クレジットを取得するための年間当たりの費用は増加しますが、CPEクレジット業者を12月31日にまたがって更新するなどして工夫をすれば、その費用を少しでも削減することは可能です。

 3年ごとに個人のライセンスに求められるCPEの要件は以下のとおりです。

・1年間に最小20時間(20 CPE credit hour annual minimum

・ワシントン州が認定した倫理コースを含んで合計120時間

120 hours of CPE Including a Board Approved Washington State Ethics Course

 SecureAccess Washingtonからオンラインアカウントにログインし、更新申請を完了します。更新料は230ドルですが、4月30日以降に更新申請する場合には、100ドルの延滞料が含まれます。

 オンライン更新申請中に、修了したワシントン州倫理コースを入力するように求められます。CPE監査に選ばれたことが通知された場合にのみ、CPE文書を提出しなければなりません。また、クレジットを請求するレポート期間の終了後、3年間は記録を保持する必要があります。6月30日までに更新しない場合、資格は失効してしまうことになります。

 日本の公認会計士(JP CPA)には更新の制度はありませんが、毎年の継続教育が義務付けられており、年会費は10万円以上かかります。このことからすると、事実上、毎年継続教育を行ったうえで、年間10万円以上の更新料を支払っていることと同視でき、米国の公認会計士の維持費は相対的にはまだ低いものであると考えられます。