カテゴリ:2015年


 寄附金は何の見返りも期待しない任意の支出です。法人が寄附金を支出した場合には、企業会計上必要な経費として取り扱われます。しかし、寄附金は反対給付を伴わない支出であり、事業関連性に乏しいなど、その損金性が不明であるなどの理由から、法人税法においては、寄附金の損金算入について一定の限度額を設けており、この限度額を超える寄附金については損金不算入としています。  ただし、法人税法では、寄附金は①指定寄附金等(国・地方公共団体等)、②特定公益増進法人等(公益社団法人・公益財団法人等)に対する寄付金、③その他の寄附金の3つの区分に分類され、①と②の寄附金については公共性・公益性が高いため、別途損金算入できる措置が置かれています。  実務上は、期中において寄附をする際に公共性・公益性が高い寄附金か否か、多額の寄付の場合には損金不算入額が生じないかどうかを確認する必要があります。  なお、一般社団法人・一般財団法人に対する寄附は③その他の寄附金として取り扱われますので、別途損金算入される措置はありません。
 法人に支払われる利息や配当については、その支払いの際に源泉徴収がなされ、源泉所得税控除後の手取り額が法人に支払われるのが通常です。これらの利息等は法人の益金を構成し、その利息等から源泉徴収される所得税は法人税の前払いとしての性格を有しているため、法人税の申告・納付の際には控除されることになります。...
 公益法人や非営利型法人でも、基準期間(前々事業年度)における課税売上高が1千万円を超える場合には、普通法人と同様に消費税の課税事業者になります。...
 法人税の納税義務がある法人(収益事業を実施している公益法人等)については、原則として、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に確定申告書を納税地の所轄税務署長に対して提出するとともに、法人税を納付しなければなりません。...
社団法人・財団法人の課税所得の範囲および税率
 公益社団法人・公益財団法人に対しては、公益目的事業以外の事業について税法上の収益事業に課税が適用されます。一方、一般社団法人・一般財団法人に対しては、「非営利型法人」に該当する場合を除いて、原則としてすべての所得が課税対象となります。 また、印紙税や固定資産税等については、一定の事由に該当する場合には非課税措置があります。...
社団法人・財団法人の法人税法上の区分
 公益社団法人・公益財団法人とは、行政庁から公益認定を受けたものをいい、法人税法上、公益法人等として取り扱われます。  公益認定を受けていない一般社団法人・一般財団法人は、非営利型法人または非営利型法人以外の法人の2つに区分されます。(下図:国税庁ホームページより)
 株式会社と社団法人・財団法人は、法に抵触する事業や反社会的な事業ではなければ、事業に制約はなく、活動面(事業面)からするとあまり違いはありません。社団法人・財団法人は公益的な事業しかできないと考えている方が多いですが、株式会社などの営利法人と同様の私的利益を追求する活動をしても何の問題もありません。...
 「社団」とは、人の集合体で団体としての組織があるものです。人の集合体である「社団」に法人格を付与したものが「一般社団法人」です。  これに対して、「財団」とは、一定の目的のもとに結合された財産の集合体のことです。 300万円以上の価額の財産の集合体である「財団」に法人格を付与したものが「一般財団法人」です。...